どんな状況でも他者の自由を敬うことなのだ~「霊的裁きの法則」③

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「霊的裁きの法則」または、「霊的な作用反作用(原因-結果)の法則」(P151~)

具体的にどういう目的で、回顧するのですか?

魂が、「魂の法則」や他者への行為に関して生存中に決断したことの重要性気づいて、進化に役立てるのが目的だ。つまり、愛を持って行動したのか、エゴ(我欲)によって行動したのかを、顧みるのだ。
また、その転生で取り組んだどの科目に合格し、不合格なのはどれなのかを知るのが目的だ。今後の転生での試験では、これまでの転生での行動によるところが大きいからだ。

最後の審判みたいではないのですか?

それに似ているが、魂を蔑んだり罰する意図はなく、「魂の法則」や万物の生命に対する行為を自覚できるようになるためなのだよ。

自分の行為が正しかったか正しくなかったかを、判定するのは誰ですか?

高次の霊の手助けを得て、自分自身で判定する。

生存中に気づけなかったのに、自分の行動が不当だったかどうかを、どうして自覚できるのですか?

高次の魂が助けてくれるので、自分の進化レベルではまだ持ち得ていない、霊的な洞察力が授けられるのだ。

自分自身を裁くのでしたら、完全に公平にはなり得ないのではありませんか?魂が自分をひいきしないように、どう阻止するのですか?

今言ったように、魂は高次の存在に誘導されて、霊的に明晰な状態にいるので、自分をえこひいきするような行動は取らない。その状態にいると、現実をありのままに、完全に公平に見ることができる。

そして、どうするのですか?

魂は、自分の悪い言動を修正してその後の転生で克服できるように準備をして、能力に応じた償いのために試練を選ぶことになる。
それは、魂が選びたい方法による。ゆっくりだが時間がかかる修復もある一方で、試練がきついがもっと早く進化するために役立つものもある。

そうだとしても、直後には何が起こるのですか?つまり、魂はすぐ次の生で、早速、前世の行為の修復に取り組むのですか?

矯正する意図を見せない魂がたくさんいるので、必ずしもそうとは限らない。彼らはそのために、下層アストラル域に停滞してしまい、更生の前段階を踏まないで、再び転生してきてしまう。
また、魂が更生のプロセスを開始したとしても、初めは善と親和する意志力が弱いので、厳しい試練には耐えられない。よって、負債の償いに直面しないで済む過渡的な転生をし、更生のための意志力と忍耐力を養う準備期間とする選択肢もある。
きつい試練に立ち向かう本当の贖罪のための転生は、魂に十分用意が整って、確固とした改善の意志を持った時にやって来る。

「負債を持つ」魂には、どんな種類の試練が待っているのでしょうか?

一般に、前世で自分が生み出したのを類似した状況を、自分が身を持って体験する。そして、「魂の法則」と何が調和し、何がしていないのかを自覚して、罪の償いに尽くす。

理解できるように、例を挙げていただきたいのですが。

よかろう。大農場と農奴奴隷を所有する、18世紀の白人の家庭へ、ある魂が転生したとしよう。
おそらくこの魂は、両親の教育によって、農奴も自分同様に感じ苦しむ人間なのだと気づかない。また、物的なものかを問わず個人の利益のために、他の生き物の意志を蹂躙してはならないことや、それが自分と同じ人間の場合にはさらに悪質であることに気づけない。そのため、奴隷制は「愛の法則」と「自由意志の法則」に反する行為だ、と思い至らないでいる。
大人になってそこの若旦那となったこの魂に、奴隷を所有するのがいいことかと尋ねたならば、「汚い無知な奴隷と立派な領主とをなぜ比較するのだ」と、彼の自尊心を怒らせるに違いない。「汚い、無知、奴隷」というのは、彼が積極的に維持してきた状況だ。もしこの状態が妥当だと思えるのなら、それは、逆の立場からもこの状況を経験することに、同意していることになる。
つまり、以後の転生で自分の家族に隷属する農奴の息子または娘として生まれ、奴隷であることから生じる苦悩を身を持って体験する。そして今度は奴隷となった魂に、奴隷制はよいことかと尋ねてみれば、それは非人道的だと語り、「神よ、私が一体何をしたというのですか」と、自分の不運を苦々しく嘆くことだろう。
結局のところ、自分が蒔いた種を刈り取ったに過ぎないのだ。もし彼がこの経験から有益な教訓を引き出せたとしたら、たとえば再び大農場の領主に戻るなど、社会の諸相を変えられる立場になったときに、自分が前世で内面的に学習したことを思い出し、奴隷制の廃止に尽くすかもしれない。

この例から、奴隷は前世では、奴隷制を利用していた領主だったかも知れないと推測すべきなのですね。

そう、そして領主が、奴隷なのだ。
自己の自由が尊重されるための最善策とは、どんな状況でも他者の自由を敬うことなのだ、と気づくに至るまで、同じグループの魂が、多くの人生で両方の立場を交代で経験することだろう。すべてがこうなっている。

<④に続く>

『魂の法則』ナチュラルスピリット刊
ヴィセント・ギリェム著・小坂真理訳






2017年10月13日追記
ボランティアで朗読し、Youtubeにアップしてくれた方が!
14分44秒から20分48秒までが、この記事の部分の朗読となります。