～海底～

～Fondo del Mar～

あの朝、仕事に出かけられなくなったのは、ちょうど

通販雑誌のロケで社長が出張に出かける日でした。

休みの連絡の電話もできないまま、家に閉じこもって

いたのでした。

自分で自分が何をしているのか、どうしてこんなことを

したのか、信じられなくて・・・。

買い物に行こうと思っても、同じように、出かけられず、

Fくんたちに話かけられても、答えられず、という感じで、

自分がもぬけの空に、、なってしまったような気がしました。

翌日も同じような感じで、出かけよう、って意を決するけれど

足がすくんで、玄関をでることができず、またお休み・・・。

会社からも、特に、どうしたんだ？という連絡もないので、

まぁ、いいじゃん、私が行かなくても、なんとかなるのよ、

と勝手に良いように考えて、もう、ぐちゃぐちゃ。。。

それにしても、今でも、何故あんなことをしたのか、全然

分かりません。
よっぽど、切羽詰っていたのか、もうどこにも逃げ場が

なくて、自分に閉じこもることしかできなかったのか、

今なら、こうやっていろいろと振り返って、想像することが

できますが、あの時は、本当に、辛くて辛くて、社会人として

取り返しのつかないことをしてしまった自分に対して、責める

気持ちがあったし、自己嫌悪に陥って、さらに自分自身で

自分のことを追い込んでしまったような気がしています。

本当に、悪循環のスパイラルに陥ると、どうしようもない

落ち込みが襲ってくるんですねぇ。。。

心が全然動かないんです。

話すことができなくなり、笑うこともできなくなり・・・。

ただただ、ノートにその時のことを書きなぐっていました。

何かを書いていないと、考えないと、頭がバカになって

しまうんじゃないか、って感じで、漢字の練習をしたり・・・。

笑うのが得意、って言っていた、自分の中から、楽しいとか

そういう感情が湧きあがらなくなった時、私って、存在する

意味がないんじゃない？って思ったり・・・。

ブスーっとして、周りの人に嫌な気分を伝染させるなんて

できるだけ避けたいことを自分自身がどうにもできなくて

やってしまっていて、悲しいという気持ちと、自分に対する

怒りと、自分の弱さと誰かに頼らないと何もできないって

身に沁みて分かったとき、じゃぁ、私はどうありたいのか、

って深い海の底で模索していたような気がします。