~下見~

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~Previsita~

Fくんが、訳の分からない、革コートのお土産を持って
帰ってきて、数ヶ月。
何があったかとか細かく覚えてないけれど、大阪のマンションを
引き払う準備をしつつ、私はアルバイトにいそしみつつ、事前に
日本の知り合いとの仕事をスペインに持っていき何かできないか、
という根回しというか、人脈作りを私なりにしてました。

Fくんはその間、何をやっていたのでしょう?
本当に記憶がないんです。
ということは、たいしたことをやっていなかったんだと思います。
何か今につながることがあれば、覚えているもんですからね、
きっかけになることとか、些細なことであったとしても・・・。

春のある日、Fくんがまた、とりあえず、スペインにもう一度行って
今度は、家や仕事を探しをしに行きたい、と言いだしました。
そして、今度も家を探すのだから、私も一緒に・・・ということ。
私は、前回同様、気が進みませんでした。
私の考えでは、Fくんだけ、先に行き、仕事が決まって落ち着いて
から私がいく、っていうのでもいいんじゃないかなぁ~っていう思い
も少しあったんですよ。
実家に戻るという手もあったし(問題は山積みでしたが・・・)

でもその前に、Fくんもスペインに本格的に行く前に、荷物とか
片付けなくてはいけないことが山積みなのに、全く手を付けて
いなかったんですよね。。。
だから、スペインで家を決める、と言ってももう一度日本に帰って
きて、荷物の整理をするのかと思っていました。

押し切られるように、私も一緒に行くことになり、あの、例のこれから
お世話になるかもしれない人達にも会いました。
私の直感は、案の定、「この人たちは、ヤバイ!信用できない!」

家もなんとかマドリッドの辺鄙な場所の公団のような家を借りることが
でき、ほっとして、さぁ、かえって、荷物の整理をしよう!と思っていたら、
な、なんと、Fくんは、このまま残るから、私一人で荷物の整理をして、
引越し準備を全てやってくれ、なんて言うんですよ!
そして、いつも私のサポートをして我慢していることが多いんだから、
今回くらい、自分の我侭を通させてくれ、ですって。。。

私は、もう言葉を失くしてしまいました。
自分の荷物、なんにも片付けてないんですよ。
要るもの、要らないものも分けてないし・・・。
それを私一人に全部やって欲しいですって。
だから、「私は貴方の荷物の要るいらないを判断できないから、全部
捨ててしまうけど、いいの?」って聞いたら、「いい、適当にやって」と
いう返事で、このままマドリッドに残ると言い張るので、もう、この人と
話しができないと思って、私だけ日本に戻りました。